4.平成23年~

既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというための要件

最高裁平成23(受)2094号平成25年02月28日第一小法廷判決

 

根抵当権設定登記抹消登記手続請求本訴,貸金請求反訴事件

 

原審:札幌高等裁判所

平成22(ネ)592,平成23(ネ)212

平成23年07月08日判決

 

取引の分断がある事例で、相殺可能な範囲が、原則として、狭まりました。

複数の基本契約がある事案に関する判例

最高裁平成23年07月14日第一小法廷判決・集民第237号263頁

平成23(受)332 号不当利得返還請求事件

原審:名古屋高等裁判所
平成22(ネ)638号平成22年11月11日

単に自動継続条項の存在を理由にするだけでは、異なる基本契約に係る取引の間にまたがる過払金充当合意を認めることはできないと指摘しました。
空白期間がかなり長い事例で、その意味では、証拠がなければ無理筋だったかもしれません。

特殊な再生計画に関する判例

最高裁 平成23年03月01日第三小法廷判決・集民第236号199頁

平成22(受)798号不当利得返還請求事件

原審:名古屋高等裁判所
平成21(ネ)897号平成21年12月25日判決

不動産担保貸付けに関する判例

最高裁平成24年09月11日第三小法廷判決・民集第66巻9号3227頁

最高裁平成23(受)122号不当利得返還請求事件

原審: 東京高等裁判所
平成22(ネ)977号平成22年09月28日

無担保・リボルビング方式の継続的貸付けのあと、同貸付けに係る債務と他の業者の貸金業者に対する借入金債務を一括して弁済する目的で,不動産担保貸付けが行われた事案につき、原則として過払金充当合意を否定されるとして,一連充当計算を認めませんでした。ただし、いわゆる「借換え」については別意に解する余地があります。

いわゆる過払利息の棚上げ計算の是非・充当の順序に関する判例

最高裁平成22(受)1983号平成25年04月11日第一小法廷判決

不当利得返還請求事件

 

過払利息が新たな借入金債務に充当されるか、充当されるとした場合の充当順序につき、判断がなされました。

プロミス切替え事例

最高裁平成23年09月30日第二小法廷判決・集民第237号655頁

平成23(受)516
不当利得返還請求事件

SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)とタンポート(クラヴィス)・サンライフとの間の貸金債権引継ぎと過払金返還債務(過払金充当合意を含む)が問題となりました。
最高裁の見解によると、切替え事例と債権譲渡事例で結論が異なり、借主の救済には不十分な状況です。

CF.債権譲渡事例
最高裁平成24年(受)539号 平成24年06月29日第二小法廷判決

いわゆるリボルビング方式の貸付けについて、H19.7.13判決が判示する特段の事情が認められないとした一例

最高裁平成23年12月01日第一小法廷判決・ 集民第238号189頁

いわゆるリボルビング方式の貸付けについて最高裁平成17年12月15日判決・民集59巻10号2899頁の言渡し日以前であっても、確定的な返済期間、返済金額等の記載(に準ずる記載)がなければ、利息制限法所定の制限を超えて利息として支払われた部分の受領につき貸金業の規制等に関する法律43条1項の適用があるとの認識を有することについてやむを得ないといえる特段の事情があるとはいえず、過払金の取得につき民法704条の「悪意の受益者」であると推定される。

同旨の判例として、最高裁平成23年(受)第407号同年12月1日第一小法廷判決(対プロミス)、最高裁平成23年(受)第1592号同年12月15日第一小法廷判決(対アコム)がある。

いわゆる時効待ちに関する判例

最高裁平成24年(受)第651号平成25年04月16日第三小法廷判決

 

損害賠償請求事件

補足意見において、債務整理における法律専門家の債権者に対する誠実義務、債権者の債務整理への一定限度の協力義務についての記載があります。

原審: 福岡高等裁判所宮崎支部
平成23(ネ)233
平成23年12月21日

強制執行停止のための担保の被担保債権と更生手続との関係

最高裁平成24年(許)第15号平成25年04月26日第二小法廷決定

解釈上疑義のあった点につき判断が示されました。

担保取消決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件

原審: 札幌高等裁判所
平成24(ラ)39
平成24年04月12日

債権譲渡と過払金返還義務の承継等(3)

最高裁平成23年07月08日第二小法廷判決・ 集民第237号159頁

平成22(受)1405号 不当利得返還請求,仮執行の原状回復及び損害賠償の申立て事件

原審:名古屋高等裁判所
平成21(ネ)933号 平成22年04月15日

一括して債権譲渡をした場合、譲渡の範囲はその譲渡合意の内容いかんにより、たとえ営業譲渡であっても、金銭消費貸借取引に係る契約上の地位の移転または過払金返還債務を当然に承継するとはいえないと判示しました。

同種の判例として、 最高裁平成23年03月22日第三小法廷判決・集民第236号225頁最高裁平成23年07月07日第一小法廷判決・集民 第237号139頁があります。

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