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最高裁平成21年9月4日第二小法廷判決・集民第231号477頁

2016-09-04

主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人前田陽司,同黒澤幸恵,同菊川秀明の上告受理申立て理由について

1 金銭消費貸借の借主が利息制限法1条1項所定の制限を超えて利息の支払を継続し,その制限超過部分を元本に充当すると過払金が発生した場合において,貸主が悪意の受益者であるときは,貸主は,民法704条前段の規定に基づき,過払金発生の時から同条前段所定の利息を支払わなければならない(大審院昭和2年(オ)第195号同年12月26日判決・法律新聞2806号15頁参照)。このことは,金銭消費貸借が,貸主と借主との間で継続的に金銭の借入れとその弁済が繰り返される旨の基本契約に基づくものであって,当該基本契約が過払金が発生した当時他の借入金債務が存在しなければ過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含むものであった場合でも,異なるところはないと解するのが相当である

2 以上と同旨の原審の判断は,正当として是認することができる。論旨は採用 することができない。

よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官古田佑紀 裁判官今井功 裁判官中川了滋 裁判官竹内行夫)

 

 

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