5.最高裁判例集

示談当時予想しなかつた後遺症等が発生した場合と示談の効力

最高裁昭和43年3月15日第二小法廷判決・民集第22巻3号587頁

昭和40(オ)347号 損害賠償請求事件

原審:
大阪高裁昭和38(ネ)1590号
昭和39年12月16日

いわゆる過払金充当合意を含む基本契約に基づく金銭消費貸借取引における過払利息の発生時期

最高裁平成21年09月04日 第二小法廷判決・ 集民第231号477頁

 

不当利得返還請求事件

過払金充当合意の存在が、過払利息の発生時期に影響を与えるか争点となっていたところ、原則通り過払金発生の時から利息を支払う義務があると指摘した。

 

参照判例 最高裁平成21年01月22日第一小法廷判決・民集第63巻1号247頁

いわゆるリボルビング方式の貸付けについて、旧貸金業法43条1項の適用要件を欠くとした一例

最高裁平成17年12月15日第一小法廷 判決・民集第59巻10号2899頁

基本契約に基づく継続的な貸付けについて、貸金業法17条書面として交付された書面に確定的な返済期間,返済金額等がなければ、旧法43条1項の適用要件を欠くと指摘した。

「悪意の受益者」の争点について、事実上立証責任の転換を認めた判決

最高裁平成19年07月13日第二小法廷判決 ・集民第225号103頁

利息制限法の例外である旧貸金業法43条1項の規定の趣旨、及び貸金業者のプロフェッショナル性を理由に、「貸金業者が制限超過部分を利息の債務の弁済として受領したが,その受領につき貸金業法43条1項の適用が認められない場合には,当該貸金業者は,同項の適用があるとの認識を有しており,かつ,そのような認識を有するに至ったことについてやむを得ないといえる特段の事情があるときでない限り,法律上の原因がないことを知りながら過払金を取得した者,すなわち民法704条の「悪意の受益者」であると推定される」と指摘した。

期限の利益喪失条項と旧貸金業法43条1項の「任意性」

最高裁平成18年01月19日 第一小法廷判決・集民第219号31頁

 

最高裁平成18年01月13日第二小法廷判決・民集第60巻1号1頁に続いて,
制限利率を超過した約定利率貸付けにおいて、債務者が約定通りの元利金の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約期限の利益喪失条項がある場合に、債務者が約定通りに元利金を支払わないと期限の利益を喪失するとの誤解が生じなかったといえるような特段の事情がない限り、制限超過部分の支払は、旧貸金業法43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできないと判示した。

プロミス切替え事例

最高裁平成23年09月30日第二小法廷判決・集民第237号655頁

平成23(受)516
不当利得返還請求事件

SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)とタンポート(クラヴィス)・サンライフとの間の貸金債権引継ぎと過払金返還債務(過払金充当合意を含む)が問題となりました。
最高裁の見解によると、切替え事例と債権譲渡事例で結論が異なり、借主の救済には不十分な状況です。

CF.債権譲渡事例
最高裁平成24年(受)539号 平成24年06月29日第二小法廷判決

いわゆるリボルビング方式の貸付けについて、H19.7.13判決が判示する特段の事情が認められないとした一例

最高裁平成23年12月01日第一小法廷判決・ 集民第238号189頁

いわゆるリボルビング方式の貸付けについて最高裁平成17年12月15日判決・民集59巻10号2899頁の言渡し日以前であっても、確定的な返済期間、返済金額等の記載(に準ずる記載)がなければ、利息制限法所定の制限を超えて利息として支払われた部分の受領につき貸金業の規制等に関する法律43条1項の適用があるとの認識を有することについてやむを得ないといえる特段の事情があるとはいえず、過払金の取得につき民法704条の「悪意の受益者」であると推定される。

同旨の判例として、最高裁平成23年(受)第407号同年12月1日第一小法廷判決(対プロミス)、最高裁平成23年(受)第1592号同年12月15日第一小法廷判決(対アコム)がある。

いわゆる過払金充当合意を認めた例

最高裁平成19年07月19日第一小法廷 判決・民集第61巻5号2175頁

1度の貸付けを除き、従前の貸付けの切替え及び貸増しであった事例で、このような1個の連続した貸付取引においては、当事者は、1つの貸付けを行う際に、切替え及び貸増しのための次の貸付けを行うことを想定しているのであり、複数の権利関係が発生する事態を生ずることを望まないのが通常であることを指摘し、いわゆる過払金充当合意を認定した。

いわゆる過払金充当合意を認めた例

最高裁平成19年06月07日 第一小法廷判決・民集 第61巻4号1537頁

カードの利用により継続的に金銭の貸付とその返済が繰り返され、返済については残高スライドリボルピング方式によることを予定した基本契約が締結された事案についてのものであるが、基本契約に基づく債務の弁済が借入金の全体に対して行われることを根拠としているのであるから、基本契約に基づき、継続的に貸付と返済が繰り返される金銭消費貸借で債務の返済が借入金の全体に対じて行われると解される取引一般について、過払金充当合意の成立が認められることになると思われる。

いわゆる時効待ちに関する判例

最高裁平成24年(受)第651号平成25年04月16日第三小法廷判決

 

損害賠償請求事件

補足意見において、債務整理における法律専門家の債権者に対する誠実義務、債権者の債務整理への一定限度の協力義務についての記載があります。

原審: 福岡高等裁判所宮崎支部
平成23(ネ)233
平成23年12月21日

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